「爆問学問」出演教授たちの新書・増補版(その1)2008-10-06

ずいぶんと間があいてしまいました。

8月23日の記事「爆問学問」出演教授たちの新書(その1)の増補版を作りました。各著者の新書をいちおう網羅したつもりです。今回は第30回まで。


  • 回数:「サブタイトル」出演者=新書の著者(専門)
    • 『新書のタイトル』(新書の出版社)

  • 01:「生命のかたちお見せします」浅島誠(発生生物学)
    • 『新しい発生生物学』(講談社ブルーバックス、共著)
  • 02:「現代の秘境は人間の“こころ”だ」中沢新一(芸術人類学)
    • 『古代から来た未来人折口信夫』(ちくまプリマー新書)
    • 『イカの哲学』(集英社新書、共著)
    • 『僕の叔父さん 網野善彦』(集英社新書)
    • 『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書、共著)
  • 03:「宇宙人はどこにいるのか?」井田茂(惑星科学)
    • 『惑星学が解いた宇宙の謎』(洋泉社新書y)
  • 04:「人間は動物である。ただし…」山岸俊男(社会心理学)
    • 『安心社会から信頼社会へ』(中公新書)
    • 『社会的ジレンマ』(PHP新書)
  • 05:「ヒトはなぜ死ぬのか?」田沼靖一(生化学)
    • 『ヒトはどうして老いるのか』(ちくま新書)
  • 06:「教授が造ったスーパーカー」清水浩(環境工学)

  • 07:「哲学ということ」野矢茂樹(哲学)
    • 『入門!論理学』(中公新書)
    • 『無限論の教室』(講談社現代新書)
    • 『哲学の謎』(講談社現代新書)
  • 08:「人間は失敗作である」遠藤秀紀(比較解剖学)
    • 『パンダの死体はよみがえる』(ちくま新書)
    • 『解剖男』(講談社現代新書)
    • 『人体 失敗の進化史』(光文社新書)
  • 09:「ロボットに人間を感じるとき…」石黒浩(知能ロボット学)
    • 『知能の謎』(講談社ブルーバックス、共著)
  • 10:「タイムマシンは宇宙の扉を開く」佐藤勝彦(宇宙物理学)

  • 11:「生物が生物である理由」福岡伸一(分子生物学)
    • 『もう牛を食べても安心か』(文春新書)
    • 『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス)
    • 『ロハスの思考』(ソトコト新書)
    • 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)
  • 12:「万物は渋滞する」西成活裕(渋滞学)

  • 13:「異形のモノに美は宿る」辻惟雄(日本美術史)
    • 『奇想の江戸挿絵』(集英社新書)
    • 『岩佐又兵衛』(文春新書)
  • 14:「人間は考える腸である」上野川修一(腸管免疫学)
    • 『免疫と腸内細菌』(平凡社新書)
  • 15:「ひきこもりでセカイが開く時」斎藤環(精神医学)
    • 『社会的ひきこもり』(PHP新書)
    • 『「負けた」教の信者たち』(中公新書ラクレ)
    • 『「性愛」格差論』(中公新書ラクレ)
    • 『思春期ポストモダン』(幻冬舎新書)
  • 16:「生き残りの条件≠強さ」吉村仁(数理生態学)
    • 『素数ゼミの秘密に迫る!』(ソフトバンク サイエンス・アイ新書)
  • 17:「深海に四〇億年前の世界を見た!」高井研(地球微生物学)

  • 18:「人類の明日は晴れか雨か?」高薮縁(気象学)

  • 19:「この世はすべて錯覚だ」北岡明佳(知覚心理学)

  • 20:「コトバから逃げられないワタクシ」田中克彦(言語学)
    • 『エスペラント-異端の言語』(岩波新書)
    • 『言語学とは何か』(岩波新書)
    • 『ことばと国家』(岩波新書)
  • 21:「「体内時計」はいま何時?」上田泰己(システム生物学)

  • 22:「科学的分身の術」舘すすむ(バーチャルリアリティ学)
    • 『バーチャルリアリティ入門』(ちくま新書)
  • 23:「平和は闘いだ」伊勢崎賢治(平和構築学)
    • 『武装解除』(講談社現代新書)
  • 24:「「脱出したい!」のココロ」塚本勝巳(海洋生命科学)

  • 25:「人類の希望は美美美(ビビビ)」佐々木健一(美学)
    • 『美学への招待』(中公新書)
    • 『タイトルの魔力』(中公新書)
  • 26:「みんなの憲法入門」長谷部恭男(憲法学)
    • 『これが憲法だ!』(朝日新書、共著)
    • 『憲法とは何か』(岩波新書)
  • 27:「脳を創る男」合原一幸(カオス工学)

  • 28:「スポ根なんていらない?」高妻容一(スポーツ心理学)

  • 29:「人生を振りかえる 夜」カール・ベッカー(宗教学)

  • 30:「検索エンジンは脳の夢を見る」高野明彦(連想情報学)
    • 『バイオ・情報の最前線』(丸善ライブラリー)

絶版本は入ってたり入ってなかったりするかもしれません。

新書読みはチェック厳しいよ2008-10-21

はじめてよそのブログにツッコミます。(そんなヒマがあったらもっと記事を書け!とのツッコミは甘んじて受けます)

トラックバック不許可なのでリンクを張っておきます。

三省堂書店 公式ブログ 新書ガールズ - 【新書ガールズ159】できそこないの男たち

【新書ガールズ159】できそこないの男たち

本日ご紹介するのは今月17日発売の新刊、福岡伸一著『できそこないの男たち』(光文社新書)です。本書は昨年5月発売のベストセラー、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)の著者、待望の新書第2弾です!

違いますね。福岡さんの新書は5作目です。上記の2点以外に『もう牛を食べても安心か』(文春新書)『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス)『ロハスの思考』(木楽舎ソトコト新書)があります。

『生物と~』しか知らない一般読者ならともかく、教養新書に力を入れている三省堂書店神保町本店の公式ブログですからねえ。私も好きな本屋なので残念です。過去記事書き直そうかなあ。っていうか、『できそこない~』の裏表紙のプロフィールに、ほかの新書もちゃんと載ってんじゃん。

ちなみに、福岡さんの新書の中では、『もう牛を食べても安心か』がもっともテーマへの凝集力が強く、読み応えがあると思います。『生物を~』しか読んでない方、ぜひどうぞ。

バカでも書ける名文教室2008-10-23

『藤原智美』ということ:DIARY

パソコンが遅くなる 2008.10.21

なぜパソコンは遅くなるのか?
車は新車の時と、5年後の時を比べても、スピードが落ちたりはしない。
洗濯機は10年たっても脱水スピードは変わらない。
電話機は通話スピードは変わらない。何年たっても。
パソコンは確実にどんどん遅くなる。
しかもすぐに壊れる。
もしかすると、私たち人類が手に入れた、もっともストレスがたまる、イライラする道具がパソコンではないか。
いや、まったくその通り。

短い文章なので全文引用させていただきました。先方はブログではないので、リンクだけ張りました。

パソコンの欠陥を、ほかの機械製品と比較しつつ、簡潔明瞭に指摘した文章ですね。名文だと思います。

いえいえ嘘じゃないです。いや、まったくその通り。(笑)

ほとんど頭を使わずに、いちおうまとまりのある文章が書けるって、ある意味すごいです。私には書けない。

なにしろ、冒頭で疑問を提示していますが、そのあとなんにも考えていないので、答えは最後まで見つかりません。

私はつい考えてしまいます。製造から5年経った車が、新車と同じスピードを出せるのはなぜか。それはメンテナンスをしているからだろう。最低でも年に一度は車検があるし、部品が劣化したら適宜修理・交換する。まったくなにもせずに新車の性能を維持できるはずがない。

洗濯機も同様。10年も使い込んだ洗濯機は、とりあえずいちど電器屋に見てもらったほうがいい。回転が遅くならなきゃOKっていう問題じゃない。

電話の「通話スピード」にいたっては、ことばの意味すらよくわかりません。もしスピードが遅くなるようなことがあるとしたら、それは電話機ではなく回線の問題だと思いますが。

いずれにせよ、疑問の答えはちょっと考えればすぐ見つかるんです。パソコンがどんどん遅くなるのは、メンテナンスをしないからです。あらゆる機械の中でパソコンだけがメンテナンスフリーなんて、ありえないでしょ。

「すぐに壊れる」って、お仕事にさしつかえるくらい頻繁に故障するんでしょうか。だったらパソコンなんか使わないほうがいいと思うんですけど。

というわけで、この文章の書き手がパソコンにイライラする理由もわかりました。パソコンは不便で壊れやすい、という(誤った)固定観念にしばられて、なんでイライラするのか、どうしたらストレスなくパソコンを使えるのか、考えようとしないからです。いや、まったくその通り。(しつこい)

これがそのへんの中高年オヤジのぼやきだったら、単に無視するだけでした。面識もないし。なんで長々とこの文章を考察したのかというと、著者の藤原智美氏が「検索バカ」(朝日新書)という本を書いているから。検索にたより、多数意見に安易に同調する前に、自分の頭で考えろ、と藤原氏は主張しています。自分の頭で考えずに、俗説を安易に信じ込んでいるのは誰ですか?

他人に対する批判は、往々にして自分自身にもっともよくあてはまるものです。こんなみっともない書き手にならないよう、私も気をつけます。

コーラスは楽しい、ですか?2008-10-27

アンジェラ・アキの新曲《手紙~拝啓 十五の君へ~》は、今年のNHK全国学校音楽コンクール(Nコン)中学校の部の課題曲でもありました。それもあって、今年はNコンの全国大会をテレビで全部聴きました。《手紙》は、聴いていて思わず一緒に歌いたくなってしまうようなパワーがありますね。きっと文化祭や卒業式の定番として長く歌い継がれていくことでしょう。

それより、今回の掘り出しものは、《聞こえる》(新実徳英)を歌ったNHK東京児童合唱団ユースシンガーズ。名前のとおりNHK東京児童合唱団(N児)のOGを中心とした合唱団ですが、こってりヴィブラートの肉厚な声ではなく、児童合唱の素直な声を保っているのが魅力。この声質は、日本のほかの合唱団にはないものだと思います。英国や北欧の合唱団の、ノンヴィブラート主体のサウンドにかなり近い感じ。既存の成人の合唱団がなかなか従来の歌唱法を変えられないのをよそに、彼女たちは一足飛びに日本の合唱を変革してしまったのかも。

テレ朝の「ミュージックステーション」でアンジェラと共演もしたN児ユースですが、聴いたことがないというひとがほとんどでしょう。イメージとしては、手嶌葵のような、あるいは坂本美雨や麻衣のような声の持ち主が集まった合唱団。想像できましたか? 余談ですが、坂本美雨は坂本龍一の娘、麻衣は久石譲の娘。親がテクノ/ミニマル系の音楽家だと、お嬢さんの声も自然とそれに適したノンヴィブラートの声になるんですねえ。

余談続きで恐縮ですが、テクノといえばPerfume。究極のノンヴィブラートですね。SPEEDの曲を熱唱していたアイドルの卵たちに、感情をこめず無機質に歌うことを憶えさせた中田ヤスタカはえらい。で、歌唱力に自信のある女声合唱団には、ぜひ《ポリリズム》の完全生声カヴァーに挑戦してもらいたいと思います。

さて、《聞こえる》は、1991年の高等学校の部の課題曲で、そのあと別の2曲とともに、1995年に組曲《空に、樹に…》として発表されました。初演は松原混声合唱団。初演者による録音があるようですが、おそらく声質のせいで私は受けつけないでしょう。あくまでも合唱のレベルの問題ではありませんが。

松原混声合唱団ほか、日本の名だたる合唱団を育てたのが関屋晋さん。『コーラスは楽しい』(岩波新書)という著書があります。日本では数少ない合唱専門のプロの指揮者でしたが、音楽に関してはほぼ独学とのことで、アマチュア精神にあふれた方だったのだろうと思います。この本でも、ひたすら合唱の楽しさが述べられています。アマチュアは思う存分合唱を楽しめばよいのだと。

なんだか私も合唱をやりたくなってきました。