LFJでBCJのSJPが聴けるしあわせ。2009-05-05

↑略称使いすぎてわけわからないっつーの。

4日の「ラ・フォル・ジュルネ」、 バッハ・コレギウム・ジャパンの《ヨハネ受難曲》を聴きました。既に定評のあるBCJの《ヨハネ》ですが、いつもながらすばらしい演奏でした。

鈴木雅明さんはチェンバロを弾かずに指揮に専念。そのためか、弾き振りのとき以上にパウゼに緊張感がみなぎっていたような気がします。アリアの多い《マタイ》にくらべ、《ヨハネ》はトゥッティの比重が高い。だからこそ、一瞬の無音によって動と静のメリハリが際立ち、音楽が引き締まっていたと思います。

2日間で4公演という日程ゆえ、さすがのBCJも演奏が荒れるのでは…なんてことも考えたのですが、まったくの杞憂でした(バスのステファン・マクラウドさんなんて、他団体とのかけもちで、なんと3日で8公演! すごすぎ)。プロの演奏家に対してそんな心配をするなんて失礼ですよね。

いや、プロにもいろいろいます。LFJ総監督ルネ・マルタンが全幅の信頼をおいているというピアニストが、3日の夜に演奏した《ゴルトベルク変奏曲》は、唖然とするしかないものでした。これはこれで批評を書こうとは思っているんですが、しばらくは名演の余韻に浸っていたいので、また後で。

私的「ラ・フォル・ジュルネ」総括2009-05-06

4日の昼、インターネットラジオ「オッターヴァ」の生番組(会場にサテライトスタジオが設けられていた)に出演した寺神戸亮さんを見られたのがラッキー。もちろん生スパッラ(料理の名前じゃないですよ)も聴けました(《無伴奏チェロ組曲第1番》からプレリュードを演奏)。それにしても、ヴィオラとほぼ同サイズの楽器を短い肩ひもで吊る独特の構え、何度見てもバタヤン(みんな知らないって)やサンボマスターを連想してしまいます。すみません。

4日の《ヨハネ受難曲》に先立って、小林義武さんのレクチャーがありました。まるで学会の基調講演のようなスクエアな語り口。でも、バッハの資料研究の世界的権威ですから、いいと思います。むしろ、最後に紹介していた、バッハをアフリカ風にアレンジしたCDは、話の流れから浮いてたし、なによりご本人のキャラと合ってなくておかしかった。あれはご自身で見つけたんでしょうか? もしかしたら、学生が卒論とかでネタにしたのかも。成城大学ってなんかそういうノリがありそう。

3日の、前島秀国さんのレクチャーは、期待どおりおもしろかった。バッハの曲が使われている映画というお題で、有名な「羊たちの沈黙」や「無伴奏シャコンヌ」を避けて「惑星ソラリス」をもってくるのはさすが。以前「レコード芸術」に登場したとき、本人の意向で顔写真不掲載となっていたので、顔を見るのを楽しみにしていたんですが、ひとことで言うなら、知的な高城剛という印象でした(うーん、どちらに対しても失礼かも)。

3日夜の《ゴルトベルク変奏曲》については、長くなりそうなのでもう少し後で。くだんの女性ピアニスト、文化大革命期の中国で育ったという「人に歴史あり」が評判になっていて、今のところほとんど賛辞しか聞こえてこないですね。中国のフジ子・ヘミングか。フジ子さんは、上手下手よりも、20世紀前半のピアニズムを体現していたことで、玄人筋も注目したんだけど(一時期聴力を失っていたのがかえってよかったんですね)、彼女はどうなのか。

こんな《ゴルトベルク変奏曲》はいやだ2009-05-08

鉄拳みたいなタイトルですが、ギャグはありませんのであしからず。すべて実体験です。今まで生の《ゴルトベルク》で「当たり」だったことがないのです。


  1. チケットがとれない。
    高橋悠治さんの浜離宮でのコンサート。2回ともとれなかった。もうやらないんでしょうか。
  2. 伝説どおり睡魔を誘う凡演。
    技巧派で知られる某日本人男性ピアニスト。ヴェーベルンの変奏曲とのカップリングという意欲的なプログラムだったので期待していたら、鍵盤をぺたぺた撫でるようなタッチから出てくる音があまりにも単調で、あっという間に爆睡。
  3. 眠気も吹き飛ぶ凄絶な演奏。
    指が回って声部の弾き分けが完璧で緩急自在で、というグールドみたいな演奏…とは正反対の演奏に、先日遭遇してしまいました。自分で設定したテンポに指がついていかない。音が飛ぶ。時には小節も飛ぶ。途中がぐちゃくちゃなので最後だけ盛り上げて取り繕う。CDとのあまりの違いに、「あの国なら“○え玉”もありかも?」とか考えてしまいました。コンセルヴァトワールで教えてるって本当?

でも、コンサート慣れしているひとなら、当たりはずれはカンでわかるもの。私はまだまだ修行が足りないってことですね。

BGMは「炎のたからもの」風2009-05-09

予想以上に当たりなドラマ「名探偵の掟」。今回は、ヒロインがとらわれの美少女、ってことで、「今はこれが精一杯」「ロシノロトスオリカ」「郷戸(大学付属病院)」などなど、あのアニメ映画のパロディが満載。いつも以上に笑わせていただきました。これで裏(金曜ロードショー)があれだったら最高だったのにね。「トリック」の「なんどめだナウシカ」を思い出しました。

中公新書2000点2009-05-25

中公新書が今月刊行点数2000点に到達。それを記念して無料の小冊子「中公新書の森 2000点のヴィリジアン」を書店で配布しています。

全144ページの大半を占めるのが、著名人へのアンケート「思い出の中公新書」。いちばん多く挙がったタイトルは、通巻番号3番の会田雄次「アーロン収容所」でした。シブいねえ。

そういえば、昨年70周年を迎えた岩波新書も、「図書」の臨時増刊という形で「私のすすめる岩波新書」という同様の企画をやってました。こちらのご指名ナンバーワンは丸山真男「日本の思想」。宮崎駿さんが「君等は、どうせ新書と『世界』ぐらいしか読んでいないんだろう」と言われていたとか、おもしろいコメントが多くて、ついこればっかり読んでしまう。紹介されている新書を読まねば。

ちなみに、講談社現代新書もそろそろ2000点を突破します。1000点突破のときは、1000番が今村仁司「作ると考える」、1001番が廣松渉「今こそマルクスを読み返す」。ニューアカに強かった現代新書ならではのラインナップでした。今回は誰が登場するんでしょうね。福岡伸一? 東浩紀?